子どもが野菜を食べないのはなぜ?1歳・2歳・3〜5歳・小学生の年齢別原因と対策
「野菜だけきれいに残す」
「昨日は食べたのに、今日は絶対に食べない」
「細かくして混ぜても見つけて出してしまう」
そんな子どもの姿を見て、
「どうしたら野菜を食べてくれるんだろう」
と悩んだことはありませんか?
栄養のことを考えて一生懸命作った料理ほど、食べてもらえないとがっかりするものです。
けれど、最初に知っておいてほしいことがあります。
子どもの「野菜を食べない」は、単なるわがままとは限りません。
味や匂いへの敏感さ、食感、初めての食べ物への警戒、自分で決めたいという気持ちなど、そこには子どもの発達が関係しています。
そして、その理由は年齢によっても少しずつ変わっていきます。
VEGEMARIは、学校給食へ野菜を供給している食品メーカーです。
この記事では、そんな「食」の現場からの視点に加えて、子どもの発達や心理の視点も交えながら、
「どうやったら食べさせられる?」ではなく、「なぜ今、この子は食べないのだろう?」
というところから、子どもの野菜嫌いを考えてみたいと思います。
この記事で分かること
- 子どもが野菜を嫌がる理由
- 年齢によって「食べない理由」がどう変わるのか
- 野菜を無理に食べさせることの問題点
- 野菜嫌いの子にできる具体的な工夫
- 栄養不足が心配なときの考え方
- 「食べる」だけではない食育の考え方
目標は「今日食べさせること」だけではありません
子どもが野菜を食べないと、どうしても、
「どうしたら食べさせられる?」
と考えてしまいます。
でも、子どもの食を長い目で考えるなら、
「野菜を食べたか・食べなかったか」だけをゴールにしないことも大切です。
今日食べなくても、
野菜を見る。
触る。
匂いを嗅ぐ。
料理を手伝う。
家族がおいしそうに食べているのを見る。
ほんの少し舐めてみる。
これらもすべて、食べられるようになるまでの経験です。
目指したいのは、今日の一口だけではなく、
子どもがこれから先、自分でさまざまな食べ物を選び、食べていける力を育てること。
そのために、まず「食べない理由」を理解していきましょう。
子どもが野菜を食べないのはなぜ?
「嫌い」の一言では説明できません
大人から見ると同じ「食べない」でも、子どもの中で起きていることはさまざまです。
たとえば、
「苦いから嫌」
という子もいれば、
「口に入れたときの感触が嫌」
という子もいます。
見慣れない料理だから警戒していることもあれば、
「今は自分で食べるものを決めたい」
という自己主張が「食べない」という形で表れていることもあります。
つまり、
「食べない」という行動だけを見ても、本当の理由は分からない
ということです。
ここは子育てでもとても大切な視点です。
「どうやって食べさせるか」を考える前に、
「この子は何が嫌なんだろう?」
と観察してみてください。
年齢別|子どもが野菜を食べない原因と対策
1歳ごろ|「知らないもの」を警戒する時期
離乳食の頃は比較的いろいろ食べていたのに、1歳を過ぎた頃から突然食べなくなった。
そんな変化に戸惑うことがあります。
でも、これは必ずしもおかしなことではありません。
成長とともに味・匂い・食感などをより細かく感じ取るようになります。
また、見慣れない食べ物に対して慎重になることもあります。
この時期に大切なのは「慣れること」
食べなかったからといって、
「この子はにんじんが嫌い」
とすぐに決めなくても大丈夫です。
今日は触っただけ。
次は舐めただけ。
その次は口に入れたけれど出した。
それでも経験は積み重なっています。
食べることだけを成功にしないのがポイントです。
2歳ごろ|「自分で決めたい」が強くなる
2歳前後になると、
「イヤ!」
「自分で!」
が増えてきます。
食事でも同じです。
昨日まで食べていた野菜を突然拒否することもあります。
これは野菜そのものが嫌なのではなく、
「食べるかどうかを自分で決めたい」
という気持ちが関係している場合もあります。
ここで、
「ちゃんと食べなさい」
「あと一口だけ!」
と大人が強く働きかけるほど、食卓が親子の主導権争いになることがあります。
「選べる」をつくってみる
例えば、
「ブロッコリーとにんじん、どっちにする?」
「大きいのと小さいの、どっち食べる?」
と、小さな選択肢を渡してみる方法があります。
大人が全部決めるのではなく、子ども自身が選べる部分をつくる。
「食べさせる」から「自分で選ぶ」へ。
これも食べる力を育てる一つの方法です。
3〜5歳|「見た目」「経験」「イメージ」も大きくなる
幼児期になると、子どもは食べ物についてさまざまな経験を蓄積していきます。
「前にこれを食べたら苦かった」
「この緑色は嫌」
「この匂いが苦手」
といった経験やイメージから、食べる前に拒否することもあります。
この時期には、食卓以外で野菜と関わることもおすすめです。
スーパーで野菜を選ぶ。
トマトを洗う。
レタスをちぎる。
家庭菜園で育てる。
料理のお皿に盛り付ける。
すると、
「食べさせられるもの」だった野菜が、
「自分が関わったもの」
へ変わります。
必ず食べるようになるわけではありません。
でも、食べ物への関心を育てること自体に意味があります。
小学生|「嫌い」だけでなく自分の意思も尊重する
小学生になると、自分の好みを言葉で説明できるようになってきます。
「味が嫌」
「給食のこれは食べられるけど、家のこれは嫌」
といった違いも出てきます。
ここでは、ぜひ理由を聞いてみてください。
「なんで食べないの?」
と問い詰めるのではなく、
「どんなところが苦手?」
と聞いてみます。
すると、
「ぐにゃっとするのが嫌」
「苦い」
「匂いが嫌」
など、具体的な理由が分かることがあります。
原因が分かれば、
焼く。
煮る。
小さくする。
味付けを変える。
など、対策も考えられます。
子ども自身と一緒に、
「どうしたら食べやすくなるかな?」
と考えてみるのもおすすめです。
「食べなさい」が逆効果になることも
親としては、もちろん食べてほしい。
それは子どもの健康を考えているからこその気持ちです。
ただ、
「食べなさい」
「残したらダメ」
「全部食べるまで遊べない」
といったやり取りが繰り返されると、
野菜だけでなく食事そのものが嫌な経験になってしまうことがあります。
さらに、
「○○ちゃんは食べられるのに」
と他の子と比べることもおすすめしません。
食べる量も、苦手な味も、慣れるまでの時間も一人ひとり違います。
大人が焦るほど、子どもも食卓で緊張してしまうことがあります。
今日からできる野菜嫌い対策7つ
1.ほんの少量から出す
最初から「全部食べる」を目標にしません。
小さな一切れでも十分です。
2.調理方法を変えてみる
同じにんじんでも、生・煮る・焼く・蒸すでは味も食感も変わります。
3.一緒に料理する
洗う、ちぎる、混ぜる、盛り付けるだけでも構いません。
4.野菜を選んでもらう
スーパーで「今日はどれにする?」と選んでもらいます。
5.家族がおいしそうに食べる
「食べなさい」と言うより、周囲の大人がおいしそうに食べる経験が興味につながることがあります。
6.食べなくても食卓には登場させる
一度拒否したからといって、完全に出さなくする必要はありません。
無理強いせず、時々出会える環境をつくります。
7.「食べた」以外も認める
「触れたね」
「匂いを嗅いでみたね」
「今日は一口挑戦したね」
食べるまでの小さな行動も大切にします。
野菜を料理に「隠す」のはダメ?
ハンバーグやカレーなどに細かく刻んだ野菜を混ぜる方法もあります。
栄養を補うという目的では、こうした工夫を取り入れてもよいでしょう。
ただし、
「隠して食べさせること」だけにしない
ことをおすすめします。
なぜなら、本人が「にんじんを食べられた」という経験として認識できないからです。
栄養を摂ることと、食べられるものを増やすこと。
この2つは分けて考えてみましょう。
「今日は栄養を補うために混ぜる」
「別の日には、そのままの野菜にも触れてみる」
両方あっていいのです。
野菜を食べないと栄養不足になる?
ここは多くの保護者が一番心配するところだと思います。
まず、一食で完璧な栄養バランスをつくろうとしなくても大丈夫です。
今日のお昼に野菜をほとんど食べなかったとしても、それだけで直ちに栄養不足になるわけではありません。
数日〜1週間程度の食事全体を振り返りながら考えてみましょう。
野菜以外にも、果物、豆類、いも類、海藻などから摂取できる栄養素があります。
「野菜を何グラム食べたか」だけでなく、食事全体を見ることが大切です。
ただし、食べられる食品が極端に少ない、特定の食感のものをほぼすべて拒否する、成長や体重が気になるなどの場合は、単なる野菜嫌いとして考えず、小児科や管理栄養士などの専門家へ相談してください。
食品メーカー×子どもの心理という視点から伝えたいこと
VEGEMARIは、学校給食へ野菜を供給する食品メーカーです。
私たちは「野菜を届ける側」だからこそ、子どもたちにたくさん野菜を食べてほしいと思っています。
でも、だからといって、
「野菜は体にいいんだから、嫌でも食べさせればいい」
とは考えていません。
子どもの食には、栄養だけでなく、
「おいしい」
「楽しい」
「自分で選べた」
「やってみたら食べられた」
という経験もあります。
そして、子どもの発達を考えれば、「食べない」という行動にも、その子なりの理由があります。
大人がその理由を理解しようとすること。
そして、その子に合った方法を一緒に探していくこと。
それが、長い目で見た「食べる力」につながっていくと私たちは考えています。
野菜を食べることをゴールにするのではなく、自分の身体に必要な食べ物を、自分で選べる人に育っていくこと。
VEGEMARIが食を通して応援したいのは、そんな未来です。
まとめ|「食べない」には、その子なりの理由があります
子どもが野菜を食べないと、親としては心配になります。
でも、
「食べない=わがまま」
と決めつける必要はありません。
1歳なら、新しい食べ物への警戒かもしれない。
2歳なら、自分で決めたいのかもしれない。
3〜5歳なら、過去の経験や見た目のイメージかもしれない。
小学生なら、食感や匂いなど本人なりの理由を説明できるかもしれません。
だから、
「どうしたら食べさせられる?」から、「どうして食べたくないんだろう?」へ。
少し視点を変えてみてください。
その問いから、その子に合った食との付き合い方が見えてくるかもしれません。
FAQ
Q. 子どもが野菜を全く食べません。無理にでも食べさせるべきですか?
無理強いによって食事そのものへの苦手意識が強くなることがあります。まずは何が苦手なのかを観察し、見る・触る・少量試すなど、その子が取り組める段階から始めてみましょう。
Q. 野菜を細かくして料理に混ぜてもいいですか?
栄養を補う方法の一つとして活用できます。ただし、野菜そのものに慣れる経験とは別に考え、見る・触る・料理するなどの機会もつくるとよいでしょう。
Q. 何歳くらいになれば野菜嫌いは治りますか?
個人差が大きいため、一律に「○歳で治る」とは言えません。成長と経験によって食べられるものが増える子も多いため、長期的に考えることが大切です。
Q. 偏食と好き嫌いはどう違いますか?
日常的な好き嫌いの範囲から、食べられる食品が非常に限定されるケースまで程度はさまざまです。成長への影響や食事そのものへの強い苦痛などがある場合は、専門家への相談を検討してください。